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last modified: 2009/07/10
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『世界のSFがやって来た!! ニッポンコン・ファイル2007』
第40回星雲賞授賞式ノンフィクション部門受賞

日本SF作家クラブ編・小松左京監修

2009年7月4日

第40回星雲賞授賞式詳細
日時   2009年7月4日(土曜日)16時00分 
会場   「ホテルニュー塩原」内 西館2Fレインボーパレス
	 (第48回日本SF大会T-Con2009会場)
主催   日本SFファングループ連合会議

第40回星雲賞授賞式ノンフィクション部門
日本SF作家クラブ編・小松左京監修『世界のSFがやって来た!!ニッポンコン・ファイル2007』(角川春樹事務所、2008年)

受賞挨拶
巽孝之(SF批評家、日本SF作家クラブ内ワールドコン対策委員会&報告書編集委員会代表)
   『世界のSFがやって来た!! ニッポンコン・ファイル2007』は、その名のとおり、2007年夏に行われました第65回世界SF大会&第46回日本SF大会Nippon2007のうち、約60ほどの日本SF作家クラブ企画に焦点を絞った報告書として企画編集したものです。わたしがたまたまクラブ内のワールドコン対策委員会代表とともに本書の編集委員会代表を務めておりました関係上、ここに来るよう仰せつかりました。まずは、本書の企画を快諾し支援してくださった日本SF作家クラブの前会長・谷甲州氏と現会長・高千穂遥氏、前事務局長の東野司氏と現事務局長の久美沙織氏には深く感謝申し上げます。そして、本書に寄稿してくださったすべての日本SF作家クラブ会員のかたがた、そして本書に投票してくださったすべての大会参加者のかたがたに感謝いたします。
 二年前の夏にパシフィコ横浜で行われましたワールドコン、アジアで初めての世界SF大会のことは、まだみなさんよく覚えていらっしゃるでしょう。井上博明さんを委員長とする実行委員会の公式発表によれば会期中の有料入場者数3332名(日本国内からの参加者1959名、海外からの参加者877名、横浜市民割引496名)、共同通信発表によれば30ヶ国からのべ1万5千人ということですので、これは北米大陸で開かれることの多いワールドコンの基準に照らしても大成功の部類となりました。その結果、アメリカの月刊SF情報誌<ローカス>2007年11月号に発表されたアイリーン・ガンのレポート"Japan Welcomes the World"を皮切りに、このときのワールドコンが英語圏では「ニッポンコン」(NipponCon)の愛称で親しまれるようになったため、その呼び方を本書でもまるまる踏襲し、タイトルにも応用することになった次第です。
 本書のきっかけは、2005年12月にワールドコンに向けNippon2007実行委員会より正式に日本SF作家クラブに協力の要請があったことにさかのぼります。以後、実行委員長の井上氏および北米側代理人ペギー・レイ・サピエンザ氏と何度か綿密に話し合った結果、作家クラブに関連する企画はクラブ内部で立ち上げる対策委員会でまとめて立案し、それを実行委員会のプログラムにうまく組み込んでいただく、というシステムを採ることになりました。このときワールドコン対策委員会が結成され、それが報告書編集委員会に発展解消した次第です。編集委員はわたしのほかに会長、事務局長以外では井口健二、ひかわ玲子、小谷真理のみなさんで、この顔ぶれに監修として大会ゲスト・オヴ・オナーの小松左京さん、実質的な編集作業担当として株式会社イオの乙部順子さんが加わってくださいました。
 いまふりかえってみますと、おおむね三つの思いが胸をよぎります。
 ひとつには、大会ファン・ゲスト・オヴ・オナーであった柴野拓美氏がいつも仰っている「プロ作家もファンである」なる名言がありますけれども、この報告書はそうそうたるプロ作家たちがアジア初のワールドコンという前代未聞の機会を喜びまったくのタダ原稿、ノーギャラの原稿を寄稿している点で、にもかかわらず決して品質を落とさない絶妙なるプロの文章力を発揮している点で、まさにプロ作家の名誉を賭けたファン活動、と言って悪ければ純然たるヴォランティア活動--そしてもちろんSFに対する無償の愛の表明--にほかなりません。
 もうひとつには、日本SF作家クラブはこれまでにもその名義で『SF入門』や『2001』『日本SF作家クラブ40年史』などいくつかの刊行物を編集して参りましたが、作家クラブという組織自体が星雲賞受賞の対象になるのはこれが初めてだ、ということです。基本的にファンのお祭りである日本SF大会が世界SF大会と合体することで日本SF作家クラブの企画参加を促し報告書も完成し、それがファン投票で選ばれる星雲賞を受賞したというのは、まさにプロダムとファンダムがじつに理想的な文化的循環を行っている証ではないでしょうか。
 さいごに、本書が日本SF界のみならず世界SF界においてもほぼ類例を見ない歴史的資料であることを強調したいと思います。わたしはワールドコンに出席し始めて四半世紀ほどになり、多くの大会資料やレポートに目を通してきていますが、たとえばアメリカSF作家協会が公式にこれだけの規模でワールドコン報告書を出版したという先例は寡聞にして知りません。しかし、SF作品を読む人たちが集まるのがSF大会である以上に、じつはSF大会そのものがSF作品なのではないでしょうか。その意味で、本書には世界各国からのSFファンたちが未知との遭遇を遂げていくセンス・オヴ・ワンダーが充ち満ちています。
 わたしは本書の序文で昨年二〇〇八年五月二十五日に火星の北極に到着したNASAの火星探査機フェニックスが、アシモフ、クラーク、ブラッドベリ、ヴォネガットから日本でも安部公房、光瀬龍、石川喬司、荒巻義雄らの火星SFの傑作短篇を石英ガラス製のDVDに収録していたこと、ゆえに「これを読んだ火星人たちがいずれ世界SF大会ならぬ宇宙SF大会を望む日も決して遠くはない」ことを記しました。だとすれば火星SF作家クラブが宇宙SF大会の報告書を刊行する日も決して遠くはないはずです。本書にぎっしり詰まったそんな未来への夢を受け止めてくれたみなさんに、改めて御礼申し上げます。
 ほんとうにありがとうございました。
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