Science Fiction and Fantasy Writers of Japan

last modified: 2001/04/05
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秋山 完(あきやま かん)

【略歴】
滋賀県出身。 男性。 同志社大学法学部卒。 一般企業に就職後、SF・ファンタジーのコンテストに応募。 数々の落選を経て、1992年の第18回ハヤカワ・SFコンテストで佳作。 翌年、朝日ソノラマの小説誌《グリフォン》“読者のための創作ジム”で森下一仁先生に短篇を拾っていただいたおかげで、95年にソノラマ文庫『ラストリーフの伝説』で長編デビュー。 以降、会社勤務の傍ら、休日に細々と書き続けています。 塵も積もれば山となり、いつかは天に届くでしょう……か?
【SF信奉歴】
幼児期、TVアニメの『JQ』『キャプテン・ゼロ』の刷込みを受ける。 ここで“メガトン爆弾”なる物騒なSF用語を覚える。
『サブマリン707』と平田晋策著『われ等の海戦史』で海洋戦記に燃える。 アイドルそっちのけで軍艦の写真集を集める。 『サンダーバード』や『マイティ・ジャック』で、いつか家を建てるときは秘密基地にしようと望むが、後年、バブルで夢は崩壊する。
少年期は、スミスの『レンズマン・シリーズ』に熱中。 将来は銀河パトロール隊に入隊して銀河を征服しよう。 それがだめなら日本SF作家クラブに入会して、怪獣と戦おう!……と、心に決める。 その後、アシモフの『銀河帝国の興亡』を読み、銀河を征服するためには正義感だけでなく、腹芸と超能力と政治権力が必要であることを教えられる。 が、TVシリーズの『プリズナーNo6』で、権力の不条理にも、もやもやと目覚める。
その後、ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』を読み、銀河を征服するには、権力を打倒する革命という手段もあることを教えられる。 ハインラインに没入。 しかし後日、『宇宙の戦士』を読み、あんなに殺していいのかと不安になる。 スペオペでも戦争すれば大量虐殺。 趣味で銀河を征服するのは人命軽視の極みと反省する。 『破滅への二時間』や『フェイル・セイフ』、シュートの『渚にて』に強烈な衝撃を受け、人類はせいぜいロシュワルトの『世界の小さな終末』どまりなのだと、科学文明の行く末を悲観する。
『宇宙戦艦ヤマト』のブームに入信、銀河を征服するのは“愛”なのだと洗脳される。 しかし、『ベルばら』顔負けの、愛、愛、愛……の連続に、愛の真実を疑うことも知る。 ワーグナーのオペラ『リエンツィ』以後の初期作品に耽溺し、作者があんなにずぼらで浮気者でも、作品では清純で神々しい愛が描かれうることに驚愕する。 驚愕しすぎて、バイロイトめざしワーグナー詣での一人旅に出掛ける。 出掛けた先の映画館で『クリーク・デア・シュテルネ』つまりドイツ語吹替版の『スター・ウォーズ』に遭遇。 ドイツ語で独裁するベーダー卿のジークハイルな迫力に圧倒される。 ついふらふらと帝国に忠誠を誓い、銀河の征服には黒い鉄兜と強いお姉さんが不可欠と知る。 のち、『超時空要塞マクロス』で、銀河の支配者として大衆が歓迎するのは、おじさんではなく美少女だと納得する。
その一方『冷たい方程式』に涙する。 中編版の『アルジャーノンに花束を』やR.F.ヤングの『たんぽぽ娘』に感涙。 銀河を征服する野望を捨て、心を入れ替えて地道にSFを書くことの方が大事なのだと悟る。 さっそく書こうとして挫折する。 SFばかり読んでいては、SFを書くことができないのでありました。
こうしてSFを離れ、社会人となってからは、もっぱらノンフィクションの世界をさまよう。 人はSFのみにて生きるにあらずと実感。 「事実はSFよりも奇なり。 現実こそ、いかなるホラーよりも恐ろしい」と承知し、方針を定めて書き始め、現在に至る。
【既刊作品】(2001年4月現在)
1995年 『ラストリーフの伝説』
1996年 『リバティ・ランドの鐘』
1998年〜99年 『ペリペティアの福音(上・中・下)』
2000年 『ファイアストーム』
2001年 『天象儀の星(短篇集)』
        いずれも朝日ソノラマ・ソノラマ文庫
※七冊とも同じ世界の物語であり、背景や人物などが相互にリンクしていく。
【作品の全体テーマ】
  • 人はなぜ殺し合うのか
  • 人はなぜ救い合うのか
  • 人はなぜ夢を見るのか……空想なくして生きられないのか
    【作品のコンセプト】
    “なつかしき未来(ノスタルジック・フューチャー)”
    過去にあったけれど、現在は失われているいいものを、未来において再発見する……という趣旨です。
    【今後の方向性】
    『天象儀の星』までの既刊七冊で、作品世界の基盤になる自然環境・文明・文化・国家群・人物像・航宙システムなどが、おおむね設定できました。
    これからはこの七冊を“前史”として、作品の全体テーマやコンセプトをふまえつつ、銀河規模の大戦を多面的に描く『無邪気な戦争……シリー・ウォーズ・シリーズ』に取り組んでいきます。 それぞれの物語は独立しながらも、それらが十数冊まとまってひとつの史劇を形づくることになります。
    【SFやファンタジーの歴史的位置付けと、その謎について】
    たとえば今から百年後の未来に、文学部の一学生は“21世紀のSF”をどのように評価するだろう。 想像してみるとおもしろいと思う。 おそらく活字媒体だけではくくれず、映画やアニメやマンガやゲームなど視覚性・音楽性・物語性をすべて備えた総合芸術として語られるのではないか。 そのうえ国内においては、TDL&TDSとUSJ、併せて年間二千万人以上の集客を見込むテーマパークが、SFやファンタジーの大衆教育装置として機能することを見落とせない。 ここで、過去のSF・ファンタジー文化をベースにしたステージ・エンタテイメント……すなわち舞台性が、SFの要素に加えられるだろう。
    そんな“総合芸術”の系譜を過去へさかのぼれば、ミュージカルやサーカスやオペラを経て、舞台演劇の分野へと引き戻り、シェイクスピアへ還り着いていく。
    シェイクスピアの物語のスケールの大きさ、発想のダイナミズム、キャラクター設定のユニークさは、現代のウェル・メイドなSFアニメさながらだ。 『ヴェニスの商人』で、シャイロックの娘ジェシカに、恋人のロレンゾーが語りかける、「ジェシカ。 ごらん、空を、まるで広い床のようだ……」に始まる、目くるめく宇宙の描写には、SF心をゾクゾクさせるセンス・オブ・ワンダーが含まれているように思う。
    さて、時代をもっとさかのぼれば……
    SFやファンタジーの根源的なオリジンとして、古代神話や英雄伝説が登場する。
    それは、シェイクスピアの諸作品の隠しネタになった世界でもある。
    それでは、古代神話や英雄伝説は、どのような表現媒体で伝承されてきたのだろう。
    当然のことながら、文字がある。 今から五千年以上昔の古代シュメールでは、粘土板タブレットに楔形文字で古代神話が刻まれている。 しかし当時の大衆が、現代のSFやファンタジーの文庫のように、それらの粘土板を読んで楽しんだのだろうか。 そこまで手軽な媒体ではなかったように思われる。
    むしろ当時の大衆にとって、神話伝説とは、祝祭のおりに神殿で、あるいは屋外の劇場で演じられるパフォーマンスではなかっただろうか。 神殿の巫女や、選ばれた市民が扮装して、自分ではない空想上の神々や超人を演じ、踊り、謡い、語ることで、当時の人々は現代のSF・ファンタジーに相当する神話・伝説を観賞し、共感し、感動して、後世の人々にそのあらすじを伝えていったのではないか。
    だとすると、現代のSF・ファンタジーの根底には、「人が夢に描き、空想した神々や悪魔や超人や美女たちを、みずから現実に演じようとする」という、奇妙としかいえない行為が含有されていることになる。 実際、そういう行為がなければ、人は夢と空想の産物であるSFやファンタジーを読むはずがない。 現実には存在しないアニメ・キャラクターのコスプレをして架空の人物になりきってみたり、テーマパークで現実を忘れてはしゃぐ現代のファンたちに通じるものがある。
    人はなぜ、「自分でない、空想上の何者かを演じよう」とするのだろう。 いくら熱心に演じてみても、現実には、一生、絶対になりえない。 にもかかわらず、「なりきって演じる」という行為を古代から連綿と続けてきた。 飽きもせず、あきらめもせず。
    それは、なぜだろう。
    結果にはかならず原因がある、と考えることを科学的思考と呼ぶならば、「人はなぜ、自分ではない何者かを演じたがるのか?」という、一見哲学的なテーマに、そろそろ科学的な解答が求められてもいいはずだ。 それはまさにSFやファンタジーの誕生の原因に関わるテーマであり、今こそ、SFやファンタジーの作品によってアプローチすべき、最も魅力的なテーマのひとつではないだろうか。
  • 【2001年4月 秋山完】


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